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目的・会則

目的

地球上における生命の起原を科学的に解明することと、生物進化の攻究により、生命体の本質を明らかにしようとする。本会は、関係諸分野の英知を集め、互いの連携によって新しい型の総合科学を確立・発展させることにより、上記の目的達成を期するものである。

学会 会則

第1条 本学会は、生命の起原および進化学会 (The Society for the Study of the Origin and Evolution of Life-Japan, SSOEL-Japan) という。

第2条 本学会は、会員の生命の起原および進化の研究の発展と、日本における当該研究の開発・推進をはかり、関連学(協)会および、多くの人々の当該研究に対する理解を深め、もって学術・文化の発展に寄与するものとする。

第3条 本学会は、前条の目的達成のため次の事業をおこなう。
1.研究発表会・学術講演会の開催
2.学会誌等の出版物の刊行
3.其の他前条の目的達成のため必要な事業

第4条 本学会は前条の事業をおこなうため事務局をおく。

第5条 本学会の会員は、正会員と賛助会員とし、入会手続きは別途定める。

第5条の2 正会員は、第2条に示す研究に従事する個人で、学会が承認したものとする。

第5条の3 賛助会員は、本学会の目的に賛同し、その事業を援助する個人または団体で学会が承認したものとする。

第6条 会員は、別途定められた会費等の費用を前納しなければならない。定められた期間以上これらを滞納した場合は、会員の資格は消失するものとする。

第7条 会員は、本学会のおこなう事業に参加し、本学会発刊の学会誌 Viva Origino その他の印刷物の配布を受けることができる。

第8条 本学会は、会長1名、副会長1−2名および学会運営委員(以下委員と略す)を若干名、会計監査2名おくものとする。

第9条 委員および会計監査は、正会員の互選による。選出された委員は学会運営委員会(以下委員会と略す)を構成し、学会運営の任にあたる。

第10条 会長・副会長は委員会が正会員の中から選出する。

第11条 会長・副会長・委員・会計監査の任期は2年とする。

第12条 委員会は、学会運営および学会事業をおこなうため、委員長1名、常任委員若干名を選出し、学会常任委員会(以下常任委員会と略す)を構成し、その任にあたらせるものとする。

第13条 会長は学会を代表し、学会運営は委員長が総括の任にあたる。

第14条 常任委員会は、必要なとき委員会を招集し、本学会に関する諸事項を審議・決定する。

第15条 常任委員会は、正会員の中から専門委員を委嘱し、本学会に関する諸事項を諮問することができる。

第16条 委員会において、本学会員として不適当と決議されたものは、会員の資格を消失するものとする。

第17条 会員の退会届け者および会員資格消失者については、常任委員会は退会手続きをとるものとする。

第18条 本学会は、年1回定期総会を開き、必要なときは臨時総会を開くものとする。

第19条 本学会会則の改正は、会員の2/3以上の出席の総会において2/3以上の同意を要する。

学会入会手続きに関する付則

1.入会申し込み書に必要事項を記入し、常任委員会へ提出のうえ会員資格の承認をうける。
2.会員としての資格を承認されたものは、すみやかに所定の入会金、会費(1年分)、学会誌購読料(1年分)を事務局へ納入する。
3.上記費用の納入されたものについて、常任委員会は入会手続きをとり、会員として登録する。
4.本学会の入会は推薦によりおこない、委員会で承認する。

会費その他に関する付則

1.入会金(正会員のみ)  1,000 円
2.会費
   正会員  年額       6,000 円(2006年(平成18年)より改訂されました)
   賛助会員 年額(1口)  10,000 円
3.学生のための入会金・会費
   正会員で、大学または大学院あるいはこれに準じる学校に在学する学生は、在学証明書の添       付により、次の特典を与えるものとする。
   入会金 500 円、会費(年額)3,000 円(2006年(平成18年)より改訂されました)
4.学会誌 Viva Origino 購読料 年額 6,000 円。但し、会員には無料配布とする。
5.会費その他の費用の納入の猶予期限は1年以内とする。
6.会費払込振替口座
加入者名 生命の起原および進化学会
(口座記号番号) 0-0980-8-3673
他金融機関からゆうちょ銀行へのお振込みの場合は、下記の口座までお願いします。
銀行名     ゆうちょ銀行
金融機関コード 9900
店番   099
店名   O九九店(ゼロキュウキュウ店)
預金種目 当座
口座番号 0003673
カナ氏名(受取人名)  セイメイノキゲンオヨビシンカガッカイ

7. 年会費の会計年度は4月から翌年3月までとする。

新会長・運営委員長ごあいさつ 島田秋彦

    安積山影さへ見ゆる山の井の浅き心をわが思はなくに (万葉集 3807)

    昭和50年に生命の起原および進化学会が設立されてから42年がたちました。設立当初は100名程度の会員数でスタートしましたが、その後徐々ではありますが少しづつ増え今では300名程度の学会に成長しました。2014年7月には長年の念願であったOrigins 2014(生命の起原とアストロバイロジー国際学会-バイオアストロノミー合同大会)を奈良の奈良県新公会堂(現在の奈良春日野国際フォーラム甍~I・RA・KA)で開催することができました。この国際学会には数十か国からノーベル賞受賞者2名を含む約400人の参加者がありました。約1週間の大会でしたが、生命の起原について活発な議論が展開され盛況のうちに終了いたしました。また、大会で生じた剰余金の一部は、本学会の運営をサポートするための資金として寄付されました。おかげさまで本学会の財政も少し余裕ができ毎年の赤字に悩まされることなく一息つくことができました。ここに、改めてこの場を借りて大会が成功裡に終わったことに御礼申し上げます。ところで、この国際学会通じて感じたことは、今後の生命の起原研究には宇宙の新知見が不可避的に必要になるであろうことを確信させられたことでした。すなわち、これまで地球単独で考えていたものを地球を含めた宇宙へと広げなければいけない、ということです。宇宙というものは想像できないくらい広いのですから、以前より知見が増えたといってもまだまだ何もわからないことだらけだといってもよいでしょう。宇宙のことを調べれば調べるほど理解し難いことがこれからも頻出するでしょうが、一見して不可解と見える事象が表面に現れたとしても深いところで生命起原に結びついている、というようなことはいくらでも起こるでしょうしその度に一々ビックリする必要はありません。そして、宇宙の不可思議な事象と生命誕生がどのような因果の糸で結ばれているのか、それはそれは研究者の好奇心をそそるところですが、ここは今後の探求課題ということにしておきましょう。生命の起原研究は新知見が増えれば増えるほど、ドラスティックな展開が見られれば見られるほど、それだけより多くの人々の関心を引き寄せることになるでしょう。本学会の更なる発展を考えるとき、「今」という時は実は意外にも本学会の方向性を決めるターニングポイントになっているのかもしれません。最後ですが、生命の起原および進化研究の発展にささやかながらも幾ばくかの貢献ができれば望外の喜びとします。今後とも皆様から格別の御高配を賜わりますようお願い申し上げます。

生命の起原および進化学会 運営委員長・会長
島田 秋彦 (筑波大学生命環境系)

2016 - 2017年役員名簿

会長 島田 秋彦(筑波大学生命環境系)

[運営委員会]

委 員 長:島田 秋彦(筑波大学生命環境系)

会計責任者:胸組 虎胤(鳴門教育大学大学院学校教育研究科)

事務責任者:三田 肇 (福岡工業大学工学部生命環境科学科)

編集責任者:田村 浩二(東京理科大学基礎工学部生物工学科)

委   員:大内将吉(九州工業大学大学院情報工学研究院)、川村邦男(広島修道大学人間環境学部)、木賀大介(早稲田大学理工学術院)、小林憲正(横浜国立大学大学院工学研究院)、、島田秋彦(筑波大学生命環境系)、田村浩二(東京理科大学基礎工学部)、三田肇(福岡工業大学工学部)、胸組虎胤(鳴門教育大学大学院学校教育研究科)、薮田ひかる(大広島大学大学院理学研究科)、山岸明彦(東京薬科大学生命科学部)

会 計 監 査:

 

学会の歩み

[学会の歩み]は、学会創立まで(前史)とその後の発展(本史)の経過を、本学会誌Viva Origino 22 (1994)pp. 331-340 をもとに作成されたもので、学会とその周辺の動きを出来るだけ詳細に紹介し、関係方面の方々に当該研究に強い関心を持って頂けるよう配慮されている。氏名は氏にみにとどめ敬称と肩書きを略し、所属も当時のまま記述されている。
質問や疑問がありましたら「メ−ルアドレス」にアクセスして下さい。

1.前史

 

「生命の起原および進化学会」の誕生までには多くの曲折があった。世界の関連集会や学会とも連携を保ちながら、全国的な組織としての活動が定着するために関係方面の多大の努力があった。

(1)阪大で

 

1960年前後、「ミラ−とユ−リ−の原始大気からのアミノ酸等の合成、原田とフォックスのプロテノイド、赤堀のポリグリシン説、キンボルとオロ−のHCNからのプリンの合成、セイガンとポナンペルマ等の紫外線によるATP合成」、等の化学進化の実験的研究によって新事実が明らかにされていた時期は、丁度分子生物学の黎明期に入ろうとする時でもあった。「安保闘争」の敗北の意気消沈から少しは元気がでてきた頃、「生命の起原と進化」に興味をもった連中が中之島(旧理学部などのあったところ)で議論などしていた。1967年1月、石神(阪大・理)を中心に「生命の起原」研究会を発足させ、レヴュウ、論文紹介や「夢」談義が行われていた。石橋キャンパス(現理学部などのあるところ)に引っ越ししてから、公開セミナ−も不定期であったが進められた。小林(阪大・蛋白研)の模造紙15枚の大講演もあった。他に、田川(阪大・医)、黒川(阪大・基礎工)、赤堀(理研)、東山(阪大・教養)、蓬莱(京大・理)、湯淺(阪大・教養)、山中(阪大・理)、石神(阪大)、赤星(京大・原子炉)等が関連分野のレヴュ−や実験紹介などを行い討論をしていた。1969年、研究会誌(ニュ−ス)を創ろうということになり、その名称は将来発展したときに世界中の人が理解できるようにという期待と、当該研究者がザメンホフに関係する旧東欧や旧ソ連に多かったことから、「生命の起原」のエスペラント語訳 VIVAORIGINO(ヴィヴァオリギノ)に決まった。会誌は確か2回出版したが、財政が枯渇したことと、大学紛争が激化しその対応に結構多忙を極めていったことなどで頓挫した。しかし、いわゆる「解放区」での当該研究会は時々おこなわれていたように記憶している。研究会誌の創刊号には、「1969年6月30日封鎖中のロ号館(前阪大教養部の建物の1つ)にて、石神・湯淺」とある。

(2)東大で

 

若者共がロ−カルにブツブツ言っていたのではどうにもならないのが日本の社会である。そこで、既にこの分野に長じておられた野田(東大・理)に全国的な研究組織の構築をすべく「一般研究B:原始地球上の生命の起原の研究」を申請して頂くことになり、1971年8月、「層位・古生物学」領域で当該研究では日本で初めて申請が認められ、野田(東大)を代表者にして、以下赤堀(蛋白奨励会)、赤星(京大・原子炉)、秋山(北大・理)、冨家(神戸市立衛研)、今堀(阪大・教養)、伊勢村(阪大・理)、大島(東大・農)、石神(阪大・理)、清水、湯淺(阪大・教養)が研究協力者として参加した。この研究班が、日本で初めて創られた「生命の起原」研究の全国的活動の核となった組織である。この研究班は、当初当該研究の啓蒙活動にエネルギ−を傾注し、虎ノ門の教育会館(1971.10)や明治大学講堂(1972.12)で一般向けの公開講演会を行った。いずれも満員の盛況で宣伝効果は抜群であり、その一部は一般科学誌に出版もされた。この研究班は、班の研究交流と一般向け研究紹介を兼ねた研究会誌を研究班財政から発行するこにした。名称は大阪からのたっての提案によって、 Viva Originoに決定した。創刊号が1971年12月に出版(巻頭言:赤堀)され、文部省への研究報告書に加えられた。

(3)京大で

 

京大・原子炉(赤星ら)で、シンポジウム「生命の起原と進化」が1971年5月開催され、全国レベルでより広く当該の研究者が研究発表を行うことが出来るようになった。石田(京大・原子炉)や研究所の多くの研究者、山本(大阪女子大)、石神(自治医大)、清水(阪大)らがこの研究会を支援した。一連のシンポジウムは、1972年5月、1973年4月、1974年12月と開催され、当該研究の内実を豊かにする上で、また全国レベルでの研究の組織の発展に絶大な貢献をした。またその成果は、科学朝日、蛋白質・核酸・酵素や生物科学の紙面を特集で飾ったものである。ここでの討論と研究発表の機会に接した研究者が、後の「学会発足」の仕掛人であり、設立呼びかけをした人達である。その後も不定期ではあるが、しばしば専門研究会「放射線と進化」が開催され多彩な研究成果が発表されてきた。これは、学会活動を側面から支援する上で極めて大きな役割であった。

(4)再び阪大で

 総合研究(B)に次いで、1973年8月総合研究B「地球上の生命の起原と原始生命体に関する研究」が、また1974年6月総合研究A「Bに同じ」が今堀(阪大・教養)を研究代表者として認められた。研究協力者の数も一気に増加し活気を増した。研究班誌は、先の Viva Originoが受け継がれた。1973年バルセロナ(J. Oro)で第1回国際生命の起原学会{「生命の起原に関する国際会議」という名称では、モスクワ(A.I. Oparin)、ワクラ・スプリング(S.W. Fox)、ポンタ・ムッソ (R. Buvet)に次いで第4回であった}が開催され、第2回国際生命の起原学会学会が1977年京都(野田)に決定したので、周囲がなんとなく慌ただしくなっていった。総合研究の事務局は東大・理から阪大・教養に移った。

2.本史

 ロ−カルな研究会は総合研究B(野田)・総合研究B(今堀)、A(今堀)へと発展的に組織さていき、京大・原子炉における連続的に開催されたシンポジウムや研究会を活性化していった。これらの積み重ねで、「学会」組織誕生のエネルギ−が内外から高まっていった。後で触れるように、1977年に開催された「第五回生命の起原に関する国際会議」(京都)なども、学会創設への大きな起爆剤になったことは事実であるが、このために学会が創られたとする考えは正しくない。「生命の本質的理解には「生命の起原」研究が不可欠であり、それは総合科学的視点で考究されねばならない」という目的を達成するために学会の創設が必要であったのである。学会規約前文「地球上における生命の起原を科学的に解明することと、生物進化の考究により、生命体の本質を明らかにしようとする。本学会は、関係諸分野の英知を集め、互いの連繋によって新しい型の総合科学を確立・発展させることにより、上記の目的達成を期すものである」に記述されている通りである。

(1)学会設立準備会

 1974年12月、京大・原子炉のシンポジウム「生命の起原と進化」終了後、創立呼びかけ人(代表・今堀)と研究会に参加し将来学会入会予定者である学会設立発起人会のメンバ−が出席した。予め学会設立準備会事務局(阪大・教養)が用意した議事に従って議案が討議された。1)学会の名称(英名と和名)、2)規約、3) Viva Originoを学会誌として巻号共に引き継ぐこと、4)学会役員、5)シンボルマ−ク、等が提案され審議の後承認された。これらは全て学会設立総会に提案され承認を得た後発効することになった。

(2)学会設立総会と第一回学術講演会

 

1975年3月18日−20日(阪大・基礎工学部)で設立総会が開かれ、呼びかけ人代表(今堀、阪大・教養)からの各種の提案がなされ承認された。1)学会の名称が表記のように、2)学会規約が学会誌の表紙裏に印刷されているようになった。また、3)Viva Originoは第4巻第1号から学会誌として認知することが決定された。しかし、設立総会での講演要旨は以前の班研究誌第3巻3号におさめられている(先の総合研究Aの目的の1つに当該学会の創設をうたい、その準備会の性格を持っていたから当然であり、その意味で同紙の名称を引き継いで行くことに無理はなかった)。さらに、4)会長:赤堀(蛋白質研究奨励会)、副会長:江上(三菱生命研)、野田(東大)、運営委員(初代委員長:今堀、阪大)等を決定した。尚、その後の学術講演会や学会役員を学会年譜(表)として纏めたので参照されたい。また、5)シンボルマ−ク(地球上での化学進化と生物進化を表したもの)も現在の学会誌の表紙のように決まった。学会事務局は阪大・教養に置くことになった。設立記念講演会では、学会設立の経緯と今後の展望(今堀)、生命の起原研究に付いて(赤堀)、生命の起原研究の現状と将来(野田)、生化学からみた生命の起原と生物進化(江上)の講演があった。その後のセッションでは、1)宇宙・地球科学からのアプロ−チ(岡野:阪大・教養、島:理研、松尾:東工大・理)、2)前生物化学からのアプロ−チ(原田:筑波、石神:自治医大、大島:三菱生命研)、3)地質・古生物からのアプロ−チ(大森:東京教育大・理、田口:東北大・理)、4)分子進化からのアプロ−チ(木村:遺伝研、長谷川:東大・理、山中:阪大・理)、5)細胞および細胞顆粒(中村:甲南大・理、加藤:京大・理、遠山:お茶大・理)、等の当時関心が持たれていた課題に関する講演が行われた。

(3)第10回学術講演会まで

 

第2回(1976.3.17−19、東大・経済学部講堂)、研究発表35件。コロキュウム「高分子化学、生物化学の観点からみた生体物質の前生物的生成反応と進化」、シンポジウム「原始地球の環境」「先カンブリア代の地質学」が開催された。第3回(1978.3.15−17、関西地区大学セミナ−ハウス)、研究発表30件。更に、副会長提案のシンポジウム「化学進化における相分離と形態形成」が開催された。一方、第3回大会総会で第2代運営委員長に中村(甲南大・理)が就任した。所で、1977年に学術講演会が開催されていないのは、既に述べたように、丁度その年の4月に「第5回生命の起原に関する国際会議、第2回国際生命の起原学会」(京都)が開催されたためと、この国際会議をめぐっての若干の混乱のために国内学会の運営が機能麻痺をおこしかけたことによる。後者に関しては筆者の責任が極めて重いことを痛く反省している。しかし、周囲の関係者の絶大な援助によって学会への被害を最小限に止めて頂いたことに対して本当に感謝している。初代運営委員長の辞任・退会を受けて、学会事務局として中村(甲南大)に大会委員長をお願いして、第3回学術講演会が関係者の協力により開催できたことは、個人的には勿論、学会にとって本当良かったと思う。そのときを期に、阪大・教養での学会の一括事務を扱う事務局体制{総務:湯淺(阪大・教養)・山本(大阪女子大)、編集:赤星(京大原子炉)、財政:清水(阪大・教養)}を廃止し、学会本部事務局を甲南大(中村)、経理部事務局を京大・原子炉(石田)、編集部事務局を徳島大・工(森本)にそれぞれ機能的に分散させることを決定した。つまり現在の3本柱体制の学会運営はこの時に確立したものである。余談であるが、その後、初代運営委員長(総括班長)を中心に「進化に関する」大型科学研究費が認められ、班活動が学会活動とは全く平行的に進められたが、筆者は不幸にしてその研究成果の概要すら知り得ない。しかし、そのような大型研究プロジェクトが学会活動とは関係の無い所で遂行され、しかも「・・進化」の名称を冠する国内で唯一の学会の成果になり得なかったことが残念でならない。第4回(1979.3.22−24、八王子大学セミナ−ハウス)、研究発表25件。この時は副会長提案のパネル討論「何故生命の起原を研究するか」が面白かった。第5回(1980.3.26−28、京大・原子炉)、研究発表30件。更に、シンポジウム「地球外における有機物の起原と進化」が開催された。また国外では、1980年、イエルサレム(M. Paecht-Horowitz) で「第3回国際生命の起原学会」が開催された。また、この年にオパ−リンが逝去した(1894−1980)。第6回(1981.3.26−27、於三菱生命科学研究所講堂)、研究発表31件。シンポジウム「自然選択」には、木村:遺伝研(故人)らが参加し興味のあるものであった。第7回(1982.3.27−29、徳島市・大塚潮騒荘)で開催された。後にも先にも我が学会の学術講演会があのようなファンシ−な所で開催されることはないであろう。研究発表38件で、C. Ponnamperuma: The geochemical approach to the study of the origin of lifeの招待講演があった。丁度例のポカリスウェットが登場したころで、それはイ−コ−ル「生命の起原の水」、だから「よい水」の宣伝を彼が受け持ったのであった。第8回(1983.3.28−30、筑波大学大学会館)、研究発表38件で、矢内(極地研)「南極隕石の探査と採集」の特別講演があった。先年副会長江上不二夫の逝去(1982.7)により副会長席は空白となった。また、1983年外国では、マインツ (K. Dose) で「第4回国際生命の起原学会」が開催された。第9回(1984.3.29−31、新潟教育会館)、研究発表44件があった。また論客を集めたシンポジウム「初期細胞の進化」が面白かった。 第10回(1985.3.26−29、関西地区大学セミナ−ハウス)、研究発表38件。10回を迎えることができたことを記念する学術講演会であった。始めに赤堀会長の挨拶があった。招待講演として、伊勢(京大・工)「なぜ、どのように同符号のイオンがひきあうのか?」、 K. Dose: Prebiotic peptides and theorigin of biological information; C. Ponnamperuma: Recent development in synthesis and analysis in study of chemical evolutionがあった。また、特別講演として、 K. Dose: The European space bio-logy and exobiology programが行われ、それぞれの企画が第10回として意義深いものであった。招待講演を開催するにあったては山田財団のお世話になった。これらの一連の行事は、学会の活性化するための1つの大切な教訓である。

(4)第20回学術講演会に向けて

 第11回(1986.3.25−27、八王寺大学セミナ−ハウス)、研究発表33件。特別講演として、海部(東京天文台)「星生成時の物質進化」があった。この年(1986)には、バ−クレ− (S. Chang) で「第5回国際生命の起原学会」が開催され日本から多くの参加者があった。12回(1987.7.28−30、北海道大学学術交流会館)、研究発表38件。この時は学会としての初めての試みとして、公開講演会「生物はいつ、どのようにして生まれたか」を初日に実施した。このような方法で市民のための催しを行うのもわれわれの学会の任務の1つのように思われるので、今後も機会を見つけて実施したものである。また、シンポジウム「生物はなぜ炭素を選んだか?」も大変関心のある課題で面白かった。第13回(1988.7.25−27、関西地区大学セミナ−ハウス)、研究報告35件。招待講演として、 J. Seckbach: Origin of eukaryotic life - The cyanidia model for algal non-symbiotic evolutionがあった。また、シンポジウムとして「RNAワ−ルド」が議論された。この時、赤堀会長を名誉会長に、新会長に副会長の野田を決定した。第14回(1989.9.20−22、奈良県高市郡明日香村祝戸・飛鳥研修宿泊所)、研究発表30件。特別講義として、上野(奈良博物館)「長屋王邸宅の跡を掘る」と上野(京大・医)「医学から見た生命の概念」があり、少し変わった観点からの話で面白かった。懇親会での古代食「飛鳥葉盛御膳」との出合は実に興味深かった。またこの年(1989)には、プラハ (Z. Mashinovsky) に於いて「第6回国際生命の起原学会」が開催された。第15回(1990.7.23−25、金沢市・ホテル六華苑)、研究発表34件。また、ミニシンポジウム「単細胞の進化」が面白かった。大変立派な会場を用意して頂き只感激した。特別講演として、 S.L. Miller: Relative importance of prebiotic sysnthesis on the earth and input from comets and meteoritesがあった。学術講演会の前日に「生命の起原に関する」市民講座が開催され、野田会長とミラ−等が参加し好評であった。第16回(1991.3.27−28、筑波大学・大学会館・国際会議室)、研究発表38件。シンポジウム「化学進化における右と左」が開催された。第17回(1992.3.24−25、東京工業大学総合研究館)、研究発表23件。この時より名誉会長に会長から野田を加えたが、1992年11月、名誉会長赤堀四郎が逝去されたので、野田名誉会長が1人となった。会長には新たに原田(筑波大)が就任した。 第18回(1993.3.23−24、信州大学旭会館)、研究発表31件。特別講演として、江上(東京工大・工)「ロシア・ダ−ウィニズムとオパ−リン」があり、大変興味深いものであった。この年(1993)外国では、バルセロナ (J. Oro) でオリンピックの煽りで1年後れの「第7回国際生命の起原学会」が開催された(故オパ−リン主催の「第1回生命の起原に関する国際会議」からすると第10回目の節目のものでもあった)。第19回(1994.3.24−25、琉球大学大学会館)、研究発表28件。特別企画として、瀬戸(蛋白奨励会)「蛋白質の配列、知識デ−タ−をパソコンにより進化学に利用する」が開催された(これが彼の本学会での最後の講演となった)。第20回(1995.3.14−15)が松山市で開催され、31件の研究発表と、2つのシンポジウム「火星の生命探査」「タンパク合成系の起原」が行われ、極めて盛況であった。シンポジウムの成果は、後者が学会誌 Viva Origino Vol. 23 (4) (1995)に掲載され、前者が Vol. 24 (4) にそれぞれ掲載されている。

(5)第21回学術講演会から

第21回学術講演会は、1996年3月18日−20日まで大阪府立大学で開催された。36件の研究発表と、3つのシンポジウム「古細菌」「生体分子機能の創出原理:進化実験と解析からのアプロ−チ」「遺伝子発現系における核酸・タンパク質の構造と機能:その起原と進化」が持たれた。久々に3日間びっしりのスケジュ−ルを参加者は楽しんだ。「古細菌」は Viva Origino Vol. 25 (1) に、「遺伝子発現系における核酸・タンパク質の構造と機能:その起原と進化」は Vol. 24 (3) に、それぞれ特集として掲載されている。1996年7月にはフランス (A. Brack) において、第8回国際生命の起原学会(第11回生命の起原に関する国際会議)が開催された。第22回学術講演会は、1997年3月17、18日長岡市で開催された。42件の研究発表と2つのシンポジウム「進化過程の表現」「進化フロ−リアクタ−」があった。異色のシンポジウムで多くの参加者を獲得した。双方のシンポジウムの一部は「化学進化実験の再検討と進化過程」の名称で Viva Origino Vol. 25 (3) に特集されている。第23回学術講演会は、京都大学原子炉実験所主催国際会議「The role of radiation in the origin and evolution of life」と共同開催(1998年3月1日−5日、大阪府泉大津市)されることになっている。国際会議、国内学会にそれぞれ口頭、示説で発表ができる(詳細はホ−ムペ−ジの関係の箇所を参照)。

3.おわりに

 当該研究の発展のためには、専門家を養成し研究の成果を発表していくことが重要であるが、同時に教育現場での実践も必要である。例えば、阪大では、1970年から始めた低学年セミナ−が基礎になって、大学設置基準の大綱化・簡素化に伴ってスタ−トした全学共通教育機構(教養課程)での講義題目としてに「生命の起原と進化」「化学進化学序説」が1994年度から開講された。全国向けの大阪大学大学院理学研究科学生募集ポスタ−にも「生命の起原と化学進化」が研究題目として登場した。新しい領域が公に認知されには時間が必要であるが、只それだけに頼らず多様で不断の努力と一層の研鑽が求められる。「生命の起原と進化」の領域には研究課題が一杯であるが、夢とロマンもまたそれを上回るものがある。これが限りない魅力であり、多くの方々が多様な形で本学会に参加されることを期待している。

4.文献

以下、最初の@)は第@回学術講演会を、次の雑誌巻号(年)は当該の講演要旨が掲載されているものを示してある(但し、Vol.6は1巻1号のみである)。なお、その他の文献は省略した。

1) Viva Origino, Vol. 3 (3) (1975).
2) ibid., Vol. 4 (3) (1976).
3) ibid., Vol. 6 (1978).
4) ibid., Vol. 7 (2) (1979).
5) ibid., Vol. 8 (3) (1980).
6) ibid., Vol. 9 (3) (1981).
7) ibid., Vol. 10 (3) (1982).
8) ibid., Vol. 11 (2) (1983).
9) ibid., Vol. 12 (2) (1984).
10) ibid., Vol. 13 (2) (1985).
11) ibid., Vol. 14 (3) (1986).
12) ibid., Vol. 15 (3) (1987).
13) ibid., Vol. 16 (3) (1988).
14) ibid., Vol. 17 (2) (1989).
15) ibid., Vol. 18 (2) (1990).
16) ibid., Vol. 19 (1) (1991).
17) ibid., Vol. 20 (1) (1992).
18) ibid., Vol. 21 (1) (1993).
19) ibid., Vol. 22 (1) (1994).
20) ibid., Vol. 23 (1) (1995).
21) ibid., Vol. 24 (1) (1996).
22) ibid., Vol. 25 (1) (1997).