Viva Origino Vol.42 No.3
Origins 2014に参加して

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大澤祐太朗


九州大学・理 
(Received: August 11, 2014, Accepted: October 10, 2014)

   Origins 2014は7月6から11日にかけて奈良県新公会堂で行われました.今回の学会は私にとって初めてのOrigins参加&学会発表だったので,期待と不安を抱えながらの参加となりましたが,終ってみるとそれはとても有意義で濃い時間でした.この度はこのような場を頂き,自分が見たことや感じたことを述べさせて頂きたいと思います.
    Origins 2014に参加しての一番の驚きは,その分野の広さです.生命の起原を探るという共通の課題のもと, 様々な分野の研究者たちが学会に参加し, 熱い議論を交わされていました. 生命の起原という複雑系の科学に取り組むためには,多角的な分析・研究が重要であり,幅広い分野からのアプローチが必要だと思います.その一方で,あまりにも幅が広くなりすぎて,違う分野の研究になるとほとんど理解できなくなることもしばしばありました.また,このような大きなテーマを研究するうえでは,分野間の垣根だけでなく国さえも跨いで研究を進める必要があります.本学会に参加して,様々な分野を統合した研究を国際的に進める難しさをひしひしと感じました.特に,日本人には言語的な問題があります.全てが語学力のせいであるとは思いませんが,コミュニケーション能力も研究者にとって重要です.議論になると欧米の研究者の勢いに負けてしまっているように感じる場面も少なくありませんでした.また,参加学生のほとんどが修士や博士過程の人たちで,学部生がとても少なかったことも残念でした.早いうちからOriginsのような大きな国際学会に参加し,世界中の研究者たちがどのようなことをして何を解明しようとしているのかを知ることは,先に述べたような,様々な分野に精通し統合的に考える力や海外の研究者と対等に議論する力を付けるための重要なステップの1つだと思います.それにも関わらず学会は院生になってからという考えが一般的で,それが学部生の積極的な学会参加を妨げているような気がします.将来,世界で通用するような日本人研究者を育てるためにも,もっと学部生に注目し,支援していく姿勢が必要なのではないかと感じました.
    いろいろと述べてきましたが,初めてのOrigins参加は私のなかでとても貴重で有意義なものとなりました.なによりも世界中の熱意ある研究者たちが生命の起原という難問に挑むために,アイディアにあふれた研究を協力して行っていることにとても刺激を受けました. それが本学会に参加して得た一番の成果だと思います.ISSOL会長であるPizzarello先生や学会運営委員長の池原先生をはじめ,運営・進行に携わった全ての先生方に, このような貴重な機会を提供して頂き, 本当に感謝致します. 次回もぜひ参加させて頂きます.


将来を担う日本の学生たち@Origins 2014 (奈良県新公会堂).

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