Viva Origino Vol.42 No.3
Origins 2014に参加して

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細川洋一


豊田中央研究所 臼杵特別研究室
(Received: August 4, 2014, Accepted: October 10, 2014)

   今回始めて参加しました。元々最初の生物はどのように誕生したのか、昔から興味を持っていました。中学生の頃、視聴覚室で生命の誕生についてのビデオが上映され、初期地球環境を模したMillerの放電実験を見たのが印象的だったのを思い出しました。元となるアミノ酸が生成し、高分子量の有機物が出来て生命が誕生したという話だったと思いますが、物質が生き物になる段階が腑に落ちなかった記憶があります。そして現在、研究者として有機合成をベースに有機・無機物を扱っていますので、参加した動機は未知の物質・材料、仕組みへの興味ということではありますが、普段扱っているからこそ非生物がどのように生物になったのか、ますます不思議でしょうがない、そんな思いも心の奥底に持ちながら、今はどんな話になっているのか楽しみに参加しました。
    6日間という長い日程でしたが、濃密な毎日で、あっという間でした。オープニングセレモニーで見た能は日本人ですが始めての体験で、静と動の洗練された伝統芸能の凄さ、迫力を感じました。各セッションでは世界中から惑星科学、地球化学など異なる分野の専門家が集まり、宇宙における有機低分子の発生から高分子、更に自己組織化した複雑な集合体までその形成メカニズムについて各分野の観点から活発に議論されており、大変興味深く聴講しました。夜に開かれたパネルディスカッションでは魂というか、精神的な話も出ていましたが、西欧の研究者は聖書にある「光あれ」という創造の教えとはどのように整合取るのか気になりました。ポスターが中3日間掲示され、二日に分けて議論する時間があったのは、気になる発表者全てと十分にコミュニケーションできて大変良かったです。
    将来のエネルギーやCO2排出など地球規模の環境問題が懸念される中、トヨタグループは持続可能な社会・ものづくりを目指しています。自動車業界はかつて排ガスが大きな問題となったことがありましたが、現在では省エネルギー・CO2排出量削減を課題の一つとしてプリウスのようなハイブリッド車や、CO2を排出しない燃料電池車の開発に取り組んでいます。物質の誕生から変化・循環プロセス、そして生命との繋がりを地球・宇宙規模で研究する本分野への理解を深めることは、環境調和型のプロセス・製品開発やエネルギー・社会システムを考える上で非常に重要で、今後も注視していきたいと考えています。最後になりましたが今回の準備をして下さった幹事の先生方を始め学生スタッフの皆様に感謝致します。大変有意義な時間を過ごすことができました。今後の先生方のご活躍、学会の発展を期待しております。ありがとうございました。

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