Viva Origino Vol.42 No.1
第39回生命の起原および進化学会 学術講演会に参加して

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第39回 生命の起源および進化学会 学術講演会に参加して
東京薬科大学大学院 生命科学研究科 極限環境生物学研究室
博士後期課程1年 古川龍太郎
s077089@toyaku.ac.jp
(Received 26 March, 2014, Accepted 30 November, 2014)

   私にとって3回目の生命の起源および進化学会の学術講演会は広島の地で行われました。広島に来るのは今回が初めてで、街の様子や路面電車などを物珍しく見ていました。一日目は朝から新幹線に4時間乗り、広島へやってきました。そして、雨の中のアストラムラインに揺られ、広島修道大学に向かいました。会場に到着すると立派なホールがそこにはありました。ここで発表するのかと思うとなんだか少し緊張しましたが、この学会で3度目の発表となるのでその気持ちもすぐに消えました。
 私の発表は1日目の5番目で、あっという間に自分の番がやってきました。今回も前回と似た内容の発表で、「アミノアシルtRNA合成酵素を用いた分子系統解析に基づく生命の初期進化」というタイトルで発表しました。発表内容に関してギリギリまで悩んでいたため、質問に返答するための知識を補完する時間が足りていませんでした。そのため質問時間はかなり曖昧な答えしかできず、まだまだ発表慣れしていないと思いました。具体的には真核生物の進化の過程における原核生物の共生とその遺伝子の脱落についての知識がまだまだ足りていないと感じたので、今後勉強を重ねていく予定です。生物の進化を考える上で必要な知識は際限がなく、あればあるほどいろいろな物を繋げてゆけるところにおもしろさがあると感じています。そのことに再度気付く事ができ、よい刺激となりました。
 2日目のシンポジウムにて生命の定義という主題で講演およびパネルディスカッションが行われました。生命と非生命の境界は個人のレベルでかなり違っていると思われますが、そんな中でその考えを述べることは、自分にとってすごく勇気のいることだと思っています。発表された先生方は自分の生命観を持って、定義付けをされていました。それぞれに似たところはあるにせよ、ユニークな部分もあり、また譲れない部分もある生命観をお持ちなのだなと感じました。生命とは何か、本当にそんなテーマで議論するところを見る事ができる学会は本当に珍しいと思います。実際に議論に参加できて大変うれしく、また刺激になりました。このシンポジウムを期に、自分なりの生命観を持って研究していきたいです。
    2日目には生命の起源かるたの発表もありました。前回のこの学会の夏の学校にて提案され、私もほんの少しだけ制作に参加しました。ポスター発表にて、それぞれの絵札の評価を下したり、解説を書き換えたりする先生がたくさんいらっしゃいました。実際にいろんな人に見てもらうことで、かるたがブラッシュアップされているという感覚を得ました。今後このかるたが公開され、生命の起源に興味を持つ人が1人でも多くなれば最高だなと思います。
 3日目の講演は主に生物の材料となるアミノ酸の起源や惑星探査についての発表が主でした。特に火星の生命探査についての具体的研究の発表があり、火星のプロジェクトが動いているなあということがわかりました。今後どうなっていくのか楽しみな研究の1つです。懇親会の時にその研究をしている方とお話する事ができ、今後も会って話すのが楽しみだと思いました。また、マイクロ波についての発表があり、マイクロ波が大腸菌の生育に影響を及ぼしていたことが驚きでした。今後マイクロウェーブを使った研究が生物の生育や他の事柄に応用されていくと考えるとおもしろい研究分野だと感じました。
 今回の講演会は自分と同年代の参加者があまり多くなく、生命の起源研究の仲間作りはあまり成功したとは言えないので次回はそういった仲間作りを重視し参加したいと思いました。次回の講演会は東京ということで、私にとって参加するのが大変楽なので、次回も必ず参加して、また刺激を受けにきたいと思います。最後になりましたが、学会発表の機会をいただき、また興味深い議論の場に参加させて頂き心から感謝申し上げます。再びこの学会で発表できるよう日々の研究に励みたいと思います。


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