Viva Origino Vol.40 No.4
単一アミノ酸触媒によるEMP回路の形成

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清水 幹夫
宇宙科学研究所


   この度は私の傘寿とC4N説30年の記念としてミニシンポを開いていただき、感謝しております。東大物理の小谷先生から分子物理をお教えいただき、またバイオは江上先生からいろいろとご議論いただきました。エルサレムでの生命の起源国際会議会長室で先生からあなたはprocaryoteに専念しなさいと諭されたことは今でも遺言と思って守っています。実験が今まで続けられたのも、江上先生の系列の三浦、渡辺グループ(RNA)、大島、山岸グループ(蛋白)との同志的結合があったからで、ここに改めて感謝の意を(各研究室の若い方々からの多くのご援助も含めて)表します。勿論宇宙研のグループの精力的な研究結果が今の仕事の裏づけにもなりました。
   一方研究の動機づけには外国での経験が役に立ちました。ブリカンの奨学金で行ったUCLのProf.Sir Harrie Masseyから、時しもJPLのKaplanたちが金星の大気に大量の二酸化炭素があるという報告した結果にもとづいて、金星上層大気の分子過程をやれと示唆されたのが惑星に頭を突っ込むきっかけになりました。その後コロラド大のJILAにvisiting fellowshipで行って所長から看板教授のGamov博士に紹介されましたが、残念ながら遺伝コードでなく3K宇宙論の話におわりました。次にJPLに行ったのはKaplanの世話で、探査機にのめりこむ次第となりました。
   またバイオについては、木村先生からDr.Manfred Eigenを東京のホテルから三島につれて来いと言われ、一人では心細いので渡辺先生と一緒に出かけたとき、C4Nの話をしたら、you have to prove itとやられて、実験を始めたわけです。宇宙研ではtRNA identity をアンチコドンと識別位塩基などに絞ってやりましたが、独りになると又アミノ酸やアンチコドンの酵素活性を調べる基本に戻り、前に会誌でも述べたように生命は上記二者が一緒になって作ったという立場でいろいろ調べています。
   表記の話についてはその内に論文にしますのでそちらに譲って、ここでは着いたばかりの生化学会誌に載っているH2Sが生理活性分子であるという話1)にのって、原始大気との関係のつまらない議論を書きます。脳の中に水があって外からのショックを和らげるが、そのほかにグリア細胞が大量の乾いた二酸化炭素ガスを抱えてこれも緩和作用をする。なんと玄武岩に接触したガスが作る酸化大気です。さらにメタン菌、硫酸発酵(呼吸),硝酸発酵(呼吸)とくると、酸化型、還元型或いは大気、海底噴気など、関係するのか。はたまたHCNOSPの混合物でなんでもつくれたのが生物進化だという見方ができるかも。



1. 木村英雄、生化学 85(2013)63
2. 中田力、脳の中の水分子 (2006)紀伊国屋書店



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