参加者による報告

より広い視点で考察した生命の起原

那須元太郎
東京理科大学大学院 基礎工学研究科 生物工学専攻 修士課程1年 
  普段の実験では、ピペットマンなどを使った細かい操作に追われている私にとって、今回の夏の学校での経験というものは新鮮に感じられました。非常に他分野の方々が集まった中で中国における恐竜の化石の発掘状況から、宇宙における系外惑星まで非常に興味深いお話が多く、日頃学ぶことのないような貴重な体験をさせていただきました。
  中でも生駒先生の招待講演でのお話であった、地球外生命の存在についての内容は非常に面白かったです。円盤状のガスや塵から形成される星間雲から、微惑星が形成され、その微惑星から今の地球ができたという話は前に勉強したことがありました。しかし、岩石惑星である地球にどうやってこれだけ大量の海水が発生したかということまでは考えたことがありませんでした。海水の起源を知るということは、この太陽系の成り立ちを知り、さらには宇宙の成り立ちまで知ることができるのではないかと期待してしまいました。さらに、生物を構成する上で重要なDNAのリン酸基の起源について考えているのも素晴らしいと思いました。原始の地球にはそれほど多くないリンがどうやって生物の核となっていったのか気になりました。これも、海の起源のように木星の引力によってもたらされたものだとしたら、地球の生命の起源そのものが、奇跡のような確率で生まれたことになります。そう考えると、今ある地球の生命そのものが神秘的なもののように思えてきました。
  また今回の、夏の学校でいろいろな分野の方々の発表を聞くことで、生命の起原に対するアプローチの方法は、十人十色なのだなとも感じました。現在のような遺伝情報としてのDNA、RNA、生体反応の触媒としてのタンパク質を利用した複雑なシステムはどうやって生まれたのか、その答えに行き着くためにはまだまだ時間がかかると思います。しかし、今回の夏の学校のように、1分野の人だけでなく多分野の人が集まってこそ、初めてわかることもあるのではないかと感じました。私は、まだまだ研究者としては未熟ではありますが、これからはもっと広い視野、広い知識をもって自分の研究を完遂させていきたいと思います。

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