招待講演1

地球のような水惑星は宇宙にどれくらい存在するのか?

生駒大洋
東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻
  地球外生命は存在するのか――この謎はこれまでサイエンス・フィクションの扱うテーマだった。しかし、宇宙に数多くの惑星が存在することを知る我々現代人にとって、この謎はサイエンスとして扱うべきテーマになってきたと言える。この文脈において、地球惑星科学的な観点で取り組むべき課題の一つは、我々の暮らす地球という惑星が宇宙において特殊な存在なのか、あるいは一般的な惑星なのかという問題だろう。
  太陽以外の恒星を回る惑星は「系外惑星」とよばれる。また、太陽系以外の惑星系を「系外惑星系」とよぶ。1995年に最初の系外惑星が発見されて以来、これまでにすでに600個以上の系外惑星系の存在が確認されている。こうした数多くのサンプルのおかげで、実在の対象である系外惑星系との比較によって、我々の太陽系を客観的に見つめ直すことができるようになった。現状では地球ほど小さい惑星はまだ発見されていないが、発見された惑星をさまざまな角度で考察することにより、太陽系という惑星系を新たな視点で特徴づけることができる。
   我々にとって地球は、豊富な海水に恵まれた惑星である。お隣の金星と火星には、海水は存在しない。この海水の起源は、地球周辺だけではなく、太陽系全体の形成過程および構造と密接に関係していると考えられている。つまり、地球の海水を持つという特徴も、惑星系の比較の延長線上で考えるべきである。最近注目を浴びている小質量系外惑星(いわゆるスーパーアース)には、水を多量に持つ惑星も少なくない。客観的に見ると、全体の0.023%という地球の海水量は必ずしも「豊富」ではないかもしれない。
  本講演では、系外惑星研究の現状を概観し、太陽系という惑星系がどのような特徴を持つ惑星系であるかを、その起源も含めて解説する。また、地球の海水の起源と海水量の意味について現状の理解について解説し、水惑星としての地球の宇宙における普遍性・特殊性について議論する。

Return to Japanese Contents

Return to English Contents